「ある夜の出来事」
わたしは狭い部屋に案内された。警察署の取調室、容疑をかけられ、奥の椅子に座った。腕時計を見ると、22時40分
なぜだか、不安な気持ちはない。まあ、説明すればわかってくれるだろう?と、思っていた。
5月某日、仕事を終えて、ゴルフ練習場で1時間ほど球を打ち、車で帰路を走らせていた。
片側三車線の道路で、前にパトカーがいるのを確認してパトカーを追い越し信待ちをした。
車が発進したところで、後ろから赤灯を回され止まれの指示。
車の職務質問というやつだ。面倒だなと思うが、対応するしかない。
免許証を見せて、「車の中も見せてほしい」と、言うので、別に悪い物もないので、どうぞと答えた。
ちなみにその夜のわたしの車の中は、前週に2泊3日でキャンプに行って、ずぼらなわたしはすぐにキャンプ道具を下ろさずにいたので、車の中はキャンプ道具で満載状態であった。
5分ほど物色されで、警官が車の中から十徳ナイフを持ってきた。
あ~その十徳ナイフ、キャンプで使って、運転席の手の届く小物を置くスペースに置いたものだと認識した。
わたしは十徳ナイフなら、銃刀法違反にはならないと思っていたので、「銃刀法違反はならないでしょ?」なんて答えたら、警察官曰く、「銃刀法違反のこと、よく知っていますね。ですけど、このナイフで軽犯罪法違反になるんですよ」と、言い放った。
わたしは「は?」である。そんな法律、まったく知識がなかった。
警察官が署と連絡を取り合って、結局警察署に行くことになり、長い夜が始まった。
取り調べでは、わたしの主張は、十徳ナイフは先週のキャンプで使ったもので、そのキャンプ道具はおろさないで全部積んでいる、その中の一つの道具に過ぎないと、強く言い切った。
結局はわたしの主張を警察側が認めてくれたので、無罪放免となった。
でも警察はただでは返してくれない、真っ白なA4紙に始末書を書けとの注文してきた。
正直、「面倒くさい」と思いつつも仕方なく汚い字で書きこんだ(笑)
警察署を出たのが0時30分 長い夜がこれで終わった。
軽犯罪法
第一条 二号
正当理由なくて刃物、鉄棒その他人の生命を害し、又は人の身体に重大な害を加えるのに使用されるような器具を隠して携帯していた者
軽犯罪法違反
拘留または科料(1000円以上1万円未満の科料)